こういうSF作品あります

おすすめのSF作品を挙げていくネタがちょっと前に流行ってたんですが、私ならこういうの挙げてみるな、という企画。1周半ぐらい遅れてますが書いてすっきりしたいので(笑)ネタが少女漫画に偏ってるのは仕様です。

大奥


のっけから「えすえふ?」と言われそうな漫画持ってきましたが。「ifの歴史」というか、単にifなんじゃなくて記録(後世、すなわち現代にて「史実」とされているもの)との整合性をとりつつのifの歴史物ってことで、思考実験的な点では十分SFかと。家光編で農機具の進化を女性が労働を担うことになった結果として描いていたのを見た時は素直にすごい!と思いました。

絶対可憐チルドレン


もともと超能力が科学として位置づけられてるという世界観というのもあるんですが、それ以上に重要なのはこれは「予知された未来のの改変」という、歴史改変の変形バージョンが話の主軸になってる、ってことです。まあ中学生編でバッドエンドの未来から飛んで来たフェザーが登場したことで、本当に歴史改変をやってることになりましたが。未来の薫の髪型には触れちゃだめ(さぷりめんとネタ)

小煌女


過去の作品をSF世界でリメイクする(もしくはなぞる)というのはわりとあるのかなあ、と思うんですが、これは「SF版『小公女』」。
別の星からやって来た王女が母国の星が壊滅してしまったため地球で学校のメイドとして働くことになり、一方で母国の生き残りは王女を捜しに地球にやって来た、という「小公女」のストーリーをSFにしてなぞりつつも、そこにもう1人のメイドをW主人公として配置し、単なる「プリンセスの栄光再び」なストーリーにはなっていかないところが面白かったです。

ブレーメンII


人類が宇宙に進出した時代。しかし「理解し合える」*1宇宙人とは出会えなかった人類は、パートナーとして遺伝子操作された「働く動物」ブレーメンを生み出した、という設定の一見ファンタジックな外見のSF。通常のSFだとロボットがやっていそうな仕事をブレーメンたちがやっております。いやロボットや高性能AI搭載のコンピュータもいるんですけどね。
男は滞在できない星とか、宇宙の風水とか、ブレーメンの人権問題とか、アイデアは結構盛りだくさん。スイング・バイ航法はこの漫画で覚えました……

おひさまの世界地図


山口美由紀の作品の中でも人気上位に入ると思われる作品の一つ。牧歌的に見えていた子供達の村が実は宇宙移民船だったというお話なわけですが、こういう「地球に住めなくなった人類の宇宙移民船」ってどのくらいポピュラーなモチーフなんでしょうかね。

プラネット


一見ファンタジーに見えて実は宇宙移民船団が移民した星にたどり着いた後の話、という設定の物語。自分たちが移民した人間だという自覚はない世界なんで、どの程度時間が経ってるのはわかりませんが。移民船をロボットたちと取り仕切っていた少年のクローン達と、その能力を危険視し命を狙うロボットの攻防。これからどう展開していくか……?

ヘヴン/ヘヴン2


遠藤淑子でSFというと、やっぱりこれも外すわけにはいかないということで。星雲賞の候補にもあがったしね。
「ヘヴン」は終末もの、っていうジャンルになるのかな。戦争で世界が壊滅した後のお話。ここで登場するロボット・ルークの誕生物語が「ヘヴン2」という構成になってます。「人間への信頼」とか「美しい世界」、そういうのはSFでもそうでなくても普遍のテーマの一つかなあと。
……ところでなぜ「ヘヴン」で検索しても文庫版が出て来ないAmazon!

月に火星人がいた!


シリアス傾向の強いものが続いたので最後に笑える?ゆるーい作品として「月に火星人がいた!」を。文庫版だと「スイートホーム」に収録されてます。
月に行けるのは当たり前になってしまった時代、月のことは何でも知ってると人類が思っていたところで発見された「火星人」(リトル・グレイではなく昔ながらのタコみたいなの)。「月残留火星人孤児」とかどうやったら思いつくのか(笑)

*1:会話の噛み合ない宇宙人はいる……が、それなりに意思疎通は出来てしまっているので、単に翻訳機が壊れてしまったのが最大の問題なのかもしれない(笑)