米澤穂信:「リカーシブル」


めったに厚い本(「薄い本」の対義語じゃなくてね)は買わずに文庫待ちなんですが、珍しく買いましたよ、ええ。
帯に「ボトルネックの感動再び」ってあって、あれは「感動再び」と言われるような作品だろうか、という疑問もあるんですけど(笑)……あれ、苦い作品だよねっていう。米澤穂信らしい作品だけども、人はある程度選びそう。
てことで、米澤穂信の新刊でございます。
民間伝承の残る、ちょっと閉鎖的な町に訳ありでやってきた中学生・ハルカと、その血のつながらない母親&弟。弟の不思議な体験と、民間伝承がリンクしているかと思いきや、その裏にあった真実にたどり着く、という筋書きのお話。
伝承の裏にある真実、という点では実は「氷菓」も似たような側面があるんだよな、ということを思い出したり。
物語の終わったあとのハルカのその後を考えると、とりあえずはグッドENDだったけど実はこれから先は大変、という状況ではあるんだけど、本屋さんのPOPで「登場人物が幸せになってほしいと思って書いた」という作者からのメッセージが書いてあったんで、きっとなんとかやっていく、そう信じたいです。